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朧月
徒然ト、目に映ル物・思フ事。結構な確立でネガティブなのはご愛嬌。
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2010-08-02 [Mon]
電車に揺られていた

どこからなのか
いつからなのか

わからない。
俺はそれを、確かに知っているはずなのに
頭はまるで靄がかかったように、朧気。



ただ、電車に揺られている

ずっとこうしているような気もするし
ついさっきからのような気もする。


曖昧なのだ、何もかもが。

場所も
時間も
目的も


自分の、存在でさえも。



「覚束ない」





いつまで、こうしていればいいのか
どこまで、こうしていられるのか


求めているのか?
拒んでいるのか?

「何が?」
「何を?」

思い立って、すぐにやめた
きっと考えたって無駄なこと。



嗚呼、どうしてだろう
ひどく喉が渇く



そうだ



「彼が買った水をもらえばいい」



だけど


さて、彼とは誰であったか
フラッシュバックした光景の中
顔がよくわからない



視えているのに、見えない




「思い出さなければ」

それはきっと大切なことだった
そう、大切なことだった…はずなのだ




しかし、それも詮の無いこと
ここは電車の中なのだから




確かめるすべもない
すべては車窓の景色と同じ
揺れて揺れて、流れてゆく







そのうち、忘れてしまうのだろうか
彼という存在ごと








電車に揺られている
行く宛もわからないまま





宛の無い電車に揺られながら俺は、
あてどない思いを持て余していた。




(嗚呼、喉がこんなにカラカラでも人は泣けるのだと知った)
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