何度目の弁明だろうか

音楽は世界だ。
それには例えば水や空気のような
目に見えた有効性は無いけれど
それでもきっと俺は
なきゃ生きていけないと思うんだ

いつ尽きるともしれない
そんな柔な平然を
泣きたくても泣けない
頑なな自尊が支えるから

お手軽な逃避で以て
不安定さに負けないように

World of blind.

箱庭の夢に哀歌
白黒の空に昇華
咲いて散るのは紅い華

旅立つには炎夏
手を取るには因果
今日を呼ぶのは白い雨

声あげてみてよ
孤独を知った人のように
走り出してみてよ
希望だらけの子供みたいに

見えない明日に怯えることも
消えない昨日に悲しむことも
必要ないよ

いつだって
誰だって
生きるのは目隠し

散る花の如く

いつか終わるからこそ愛おしいとはよく言ったものだ
もう４分の１も過ぎたこの日々のすべてに意味が有ったのならば
何気ない日常と呼ぶに相応しい今日にも
また何かしらの価値があったのだろう
はかなくて美しい、
そんな何かが

せめて今だけ

指先を動かすことさえ怠く
瞬きをすることさえ億劫な
そんな脱力感に浸って

だらしなく伸ばされた足とか
気を抜けば落ちそうな瞼とか
そんなどうしようもない自分なんかを
撫でてゆく風の所為にした

脆弱でもはばたいて

フラフラと宙を舞う
蝙になりたいと思う

感覚だけを頼りに
途方も無く彷徨って
生温い風に飛ばされて
闇に紛れて消える

大切と呼べる誰かもなしに
目指す場所さえわからない

それでも　それが生きることだと
漂うように呟けばいい