2009-05-26 [Tue]
たった三つの音の羅列に特別な意味なんてないと
そう思っていた。
それは単なる識別記号でしかなく
それ以上でも以下でもないと。
それなのに
アンタが何度も何度も繰り返し呼んだから
それは本当のそれよりも
この身体に馴染んでしまった。
他の誰よりも優しい声で
他の誰にもない意味をこめて
アンタは俺を呼んだんだ。
この名前に意味を与えたアンタが
もう、ここにはいなくても
その声は今も未だ
変わることなく響いている。
だから、目を閉じてはアンタを思って
アンタの居ない現実に失望するんだ。
(本物の声のように、この声も消えていけばいいのに…)
PR
COMMENT