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朧月
徒然ト、目に映ル物・思フ事。結構な確立でネガティブなのはご愛嬌。
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2009-07-01 [Wed]
「なぁ、なんで鶏は飛べるように進化しなかったんだろうなー。」

いきなり何だ。
珍しく黙っているかと思えば、そんな事を考えていたのかお前は。
まったく意味が分からない。



「意味が分からない、って顔してんなー。」

仕方ないだろう。
そもそも沈黙前の会話を思い浮かべてみたところで、
鶏の進化に思考が行き当たる要素ははっきり言って0だ。



「だってよ、もしも鶏も空を飛べりゃあ
こんなに食われなくって良かったのに。」


だったら何だと言うんだ。
そもそも、先日こんがりと揚がった鶏肉を
それはもう旨そうに咀嚼していた人間の言えたことか。




「もし鶏が飛べたとしたら、どうなってたんだろうなー」


一体なんのためのifなんだ。
頼むから、俺にわかるように説明しろ。




なぁ、お前どう思う?
なんて馬鹿馬鹿しくも聞いてくるから
俺は仕方なく(本当に仕方なく)考えてみた。




そして、辿り着いたある一つの終着点。
もしも、鶏が飛べたなら…




「変わらない。人はあらゆる手を使い鶏を捕えるだけだ。その腹を満たすために。
あるいは別の何かが取って代わるかもしれない。不足した隙を埋めるために。」


どちらの方が可能性が高いだろうか、
そう考えかけて、そんなことはどちらでもいいことに気が付いた。



「それは例えば鴨だったり?」


「ああ、兎だったりする。」


結局のところ、何がどう変わったところでこのシステムは変わらない。
強者と弱者に分かれ、喰い喰らわれる。
文明も兵器も不要な、世界のシステム。
人に限らずとも、鶏でなくとも。




「そっか、そうだよな…」



中空を眺めながら呟いた声は、ひどく高くから聞こえるような気がした。
飛びつつある鳥を前に、俺は銃の撃ち方を反芻していた。




(下には柔らかいクッションをひいておいてあげる。落ちたあなたが傷つかないように。)
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