2009-12-25 [Fri]
飛んで行ってしまった風船を
あれからずっと探している
真っ赤な空に落ちるように
消えてしまった風船を
僕は「いい子」だったから
誰かを羨んだりはしなかった
僕は「悪い子」だったから
哀れな獣を内緒で育てた
失くしてしまった風船を
あれからずっと探していた
真っ青な海のような手が
空っぽの心を撫でてくれた
僕は「いい子」だったから
独り占めにはしなかった
僕は「悪い子」だったから
無くならないと信じてた
失くしてしまった風船は
それからはもう探していない
真っ黒な影に溶けた熱を
あれからずっと待っている
(結局僕は何も持たずに、ずっと)
あれからずっと探している
真っ赤な空に落ちるように
消えてしまった風船を
僕は「いい子」だったから
誰かを羨んだりはしなかった
僕は「悪い子」だったから
哀れな獣を内緒で育てた
失くしてしまった風船を
あれからずっと探していた
真っ青な海のような手が
空っぽの心を撫でてくれた
僕は「いい子」だったから
独り占めにはしなかった
僕は「悪い子」だったから
無くならないと信じてた
失くしてしまった風船は
それからはもう探していない
真っ黒な影に溶けた熱を
あれからずっと待っている
(結局僕は何も持たずに、ずっと)
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2009-12-21 [Mon]
僕らただ息をするだけで、町中に溢れる色、いろいろ。
仲間外れは灰色。
全であり、個である。それはまるで1みたいだ。
君は問う
「整然としているが故の歪さとは、一体どんな味がするのだろう。」
僕は答える
「できればチョコレート味なんかとだと嬉しいね。」
君は嗤う
「甘くて苦い、差し詰めそれは青春のようだ。」
僕は笑う
「そう、そして僕らに似ている。」
君が笑う声に紛れて、誰かが泣く声が聞こえる。
君が味わうそのレタスの一枚と共に、咀嚼されている何かみたいだ。
目隠しして踊っている、僕ら。
目隠しがとれたって
風景はブラインド。
(進み続けていないと息が出来ない魚みたいに。)
仲間外れは灰色。
全であり、個である。それはまるで1みたいだ。
君は問う
「整然としているが故の歪さとは、一体どんな味がするのだろう。」
僕は答える
「できればチョコレート味なんかとだと嬉しいね。」
君は嗤う
「甘くて苦い、差し詰めそれは青春のようだ。」
僕は笑う
「そう、そして僕らに似ている。」
君が笑う声に紛れて、誰かが泣く声が聞こえる。
君が味わうそのレタスの一枚と共に、咀嚼されている何かみたいだ。
目隠しして踊っている、僕ら。
目隠しがとれたって
風景はブラインド。
(進み続けていないと息が出来ない魚みたいに。)
2009-12-08 [Tue]
ほら、ナキ声が聞こえる
赤子という名の紳士が泣いている
そこかしこで
嗚呼、なんて懐かしい
僕らもいつかは紳士だった
「もっと もっと」
そう繰り返し喚き散らす僕は
まるで、たった今生まれ落ちたみたいだね
素晴らしいはずの世界なのに
美しいはずの未来なのに
どうして僕らは泣いていたんだろう
あの時
(ねぇ、神様とやら教えてよ。薄汚れていく僕を、今なら哂えるから。)
2009-11-24 [Tue]
理解と誤解について
君はすぐに「わかって欲しい」と言うけれど、完全なる
理解なんてものは可能だろうか。理解するには言語が
不可欠である、だけどその言語にはなんと欠陥の多い
ことか。目に見えるものも見えないものも、言葉だけで
は決して伝えられない。言葉は人の口を離れた瞬間に
本当の意味まで失ってしまうから。僕が思うところと君
の思うところが一部のずれもなく重なるなんて事は事実
ありえないんだ。僕の発するこの言葉の意味を、内包す
るイメージを、完全に理解する者は僕以外に存在しない
のだから。言葉は伝わりはしない。それは総じて理解と
言う名の「誤解」なのだ。ならば何故人は「わかりあえる」
と繰り返し唱えるのかな。同じものを見、聞き、感じてい
るなんて、どうして信じられるの。ねぇ、そうは思わない?
(分かり合えないことなんて、初めからわかっていたはずだろう?)
君はすぐに「わかって欲しい」と言うけれど、完全なる
理解なんてものは可能だろうか。理解するには言語が
不可欠である、だけどその言語にはなんと欠陥の多い
ことか。目に見えるものも見えないものも、言葉だけで
は決して伝えられない。言葉は人の口を離れた瞬間に
本当の意味まで失ってしまうから。僕が思うところと君
の思うところが一部のずれもなく重なるなんて事は事実
ありえないんだ。僕の発するこの言葉の意味を、内包す
るイメージを、完全に理解する者は僕以外に存在しない
のだから。言葉は伝わりはしない。それは総じて理解と
言う名の「誤解」なのだ。ならば何故人は「わかりあえる」
と繰り返し唱えるのかな。同じものを見、聞き、感じてい
るなんて、どうして信じられるの。ねぇ、そうは思わない?
(分かり合えないことなんて、初めからわかっていたはずだろう?)
2009-11-19 [Thu]
拝啓、親愛なる へ
あなたがいなくなってから、どれだけ時間が流れたのだろう。
あなたが心待ちにしていたあの花は、とうに枯れてしまいました。
近ごろの俺といえば、
二人で行ったカフェでコーヒーを飲んで
二人で行った本屋で料理の本を買って
いつか二人で見た映画を一人で観ました。
ミルクの甘さも
ポテトの塩っぱさも
半身の温もりも
ゆっくりと忘れてしまうような、そんな日々です。
それなのに、
カフェのテーブルの向かい側に
本屋の雑誌コーナーに
小さなソファーの俺の隣に
あなたの影がちらついて
不意に泣きたくなる、そんな日々です。
あなたの手を失ったあの日から、数えきれない夜と朝を越えたのに
「そんな人もいた」と思える明日には、まだまだ時間がかかりそうです。
(追伸。
俺がそちらに行くときには、またミルクを奢ってください。)
あなたがいなくなってから、どれだけ時間が流れたのだろう。
あなたが心待ちにしていたあの花は、とうに枯れてしまいました。
近ごろの俺といえば、
二人で行ったカフェでコーヒーを飲んで
二人で行った本屋で料理の本を買って
いつか二人で見た映画を一人で観ました。
ミルクの甘さも
ポテトの塩っぱさも
半身の温もりも
ゆっくりと忘れてしまうような、そんな日々です。
それなのに、
カフェのテーブルの向かい側に
本屋の雑誌コーナーに
小さなソファーの俺の隣に
あなたの影がちらついて
不意に泣きたくなる、そんな日々です。
あなたの手を失ったあの日から、数えきれない夜と朝を越えたのに
「そんな人もいた」と思える明日には、まだまだ時間がかかりそうです。
(追伸。
俺がそちらに行くときには、またミルクを奢ってください。)