忍者ブログ
朧月
徒然ト、目に映ル物・思フ事。結構な確立でネガティブなのはご愛嬌。
[1]  [2]  [3]  [4]  [5]  [6]  [7]  [8]  [9]  [10]  [11
2024-11-23 [Sat]
×

[PR]上記の広告は3ヶ月以上新規記事投稿のないブログに表示されています。新しい記事を書く事で広告が消えます。

2009-12-25 [Fri]
飛んで行ってしまった風船を
あれからずっと探している
真っ赤な空に落ちるように
消えてしまった風船を

僕は「いい子」だったから
誰かを羨んだりはしなかった
僕は「悪い子」だったから
哀れな獣を内緒で育てた



失くしてしまった風船を
あれからずっと探していた
真っ青な海のような手が
空っぽの心を撫でてくれた

僕は「いい子」だったから
独り占めにはしなかった
僕は「悪い子」だったから
無くならないと信じてた



失くしてしまった風船は
それからはもう探していない
真っ黒な影に溶けた熱を
あれからずっと待っている




(結局僕は何も持たずに、ずっと)
PR
2009-12-21 [Mon]
僕らただ息をするだけで、町中に溢れる色、いろいろ。
仲間外れは灰色。
全であり、個である。それはまるで1みたいだ。



君は問う
「整然としているが故の歪さとは、一体どんな味がするのだろう。」

僕は答える
「できればチョコレート味なんかとだと嬉しいね。」



君は嗤う
「甘くて苦い、差し詰めそれは青春のようだ。」

僕は笑う
「そう、そして僕らに似ている。」




君が笑う声に紛れて、誰かが泣く声が聞こえる。
君が味わうそのレタスの一枚と共に、咀嚼されている何かみたいだ。


目隠しして踊っている、僕ら。
目隠しがとれたって
風景はブラインド。




(進み続けていないと息が出来ない魚みたいに。)
2009-12-08 [Tue]


ほら、ナキ声が聞こえる
赤子という名の紳士が泣いている
そこかしこで

嗚呼、なんて懐かしい
僕らもいつかは紳士だった


「もっと もっと」
そう繰り返し喚き散らす僕は
まるで、たった今生まれ落ちたみたいだね

素晴らしいはずの世界なのに
美しいはずの未来なのに
どうして僕らは泣いていたんだろう
あの時


(ねぇ、神様とやら教えてよ。薄汚れていく僕を、今なら哂えるから。)
2009-11-24 [Tue]
理解と誤解について

君はすぐに「わかって欲しい」と言うけれど、完全なる
理解なんてものは可能だろうか。理解するには言語が
不可欠である、だけどその言語にはなんと欠陥の多い
ことか。目に見えるものも見えないものも、言葉だけで
は決して伝えられない。言葉は人の口を離れた瞬間に
本当の意味まで失ってしまうから。僕が思うところと君
の思うところが一部のずれもなく重なるなんて事は事実
ありえないんだ。僕の発するこの言葉の意味を、内包す
るイメージを、完全に理解する者は僕以外に存在しない
のだから。言葉は伝わりはしない。それは総じて理解と
言う名の「誤解」なのだ。ならば何故人は「わかりあえる」
と繰り返し唱えるのかな。同じものを見、聞き、感じてい
るなんて、どうして信じられるの。ねぇ、そうは思わない?


(分かり合えないことなんて、初めからわかっていたはずだろう?) 
2009-11-19 [Thu]
拝啓、親愛なる   へ


あなたがいなくなってから、どれだけ時間が流れたのだろう。
あなたが心待ちにしていたあの花は、とうに枯れてしまいました。


近ごろの俺といえば、
二人で行ったカフェでコーヒーを飲んで
二人で行った本屋で料理の本を買って
いつか二人で見た映画を一人で観ました。


ミルクの甘さも
ポテトの塩っぱさも
半身の温もりも
ゆっくりと忘れてしまうような、そんな日々です。


それなのに、

カフェのテーブルの向かい側に
本屋の雑誌コーナーに
小さなソファーの俺の隣に
あなたの影がちらついて
不意に泣きたくなる、そんな日々です。


あなたの手を失ったあの日から、数えきれない夜と朝を越えたのに
「そんな人もいた」と思える明日には、まだまだ時間がかかりそうです。


(追伸。
俺がそちらに行くときには、またミルクを奢ってください。)
 
Copyright © 朧月 All Rights Reserved.
PhotoMaterial by irusu  Template by Kaie
忍者ブログ [PR]