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朧月
徒然ト、目に映ル物・思フ事。結構な確立でネガティブなのはご愛嬌。
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2024-11-27 [Wed]
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2009-05-26 [Tue]

たった三つの音の羅列に特別な意味なんてないと
そう思っていた。
それは単なる識別記号でしかなく
それ以上でも以下でもないと。

それなのに
アンタが何度も何度も繰り返し呼んだから
それは本当のそれよりも
この身体に馴染んでしまった。

他の誰よりも優しい声で
他の誰にもない意味をこめて
アンタは俺を呼んだんだ。

この名前に意味を与えたアンタが
もう、ここにはいなくても
その声は今も未だ
変わることなく響いている。

だから、目を閉じてはアンタを思って
アンタの居ない現実に失望するんだ。


(本物の声のように、この声も消えていけばいいのに…)
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2009-05-19 [Tue]
本当に泣きたくなるのは
身を裂くような悲劇にも泣けない自分の冷酷さに気付いたとき。

本当に笑えるのは
その奇特な感情さえも偽りだと気付いたとき。


涙が出るのは身勝手な理由で、
居心地が悪いのはきっと爪先まで染まった黒さのせいだ。
まるで、鳩の群集に紛れた人鳥のように、
1人飛び立てない侘しさに泣いているのだ。


(本当は何とも思ってないくせに。装うことばかり上手になって。)


2009-05-18 [Mon]


大切なものは
それが「失くせない」と気付いた瞬間に、いつも
この指の隙間を滑り落ちてゆく。

大切な人は
それが「愛しい」と知った瞬間に、いつも
この腕を合間を擦り抜けてゆく。

この世界の法則に従って消えていったものは
二度とこの手には戻らない。
唇を離れた声が、虚空へと溶けるように
何もない何処かへと還ってゆく。



(厭だ、と幾ら駄々を捏ねても。その手に触れる日はもう来ない。)
2009-05-13 [Wed]
他者にとって「特別」ということが
一体どういうことなのかって
小一時間ばかり考えてみたけれど、明確なビジョンは浮かばなかった。

自分にとって「大切」ということが
一体どういうことなのかって
考える暇もなく、あなたが浮かんだ。


でも、あなたは結局は独りきりで生きていて
俺が死んでも生きられるんでしょう?

俺は多分、
もうあなたがいないと生きていけない
そしてきっと、
あなたが死んだら声を殺して泣くんだ


(「大切」だったんだ。だから、ねぇ、泣いてもいいでしょ?)
2009-05-12 [Tue]
あなたが一方的な愛情でもって俺を守りたいと願ったことも
あなたが飼い慣らして置き去りにした可哀想なあの子のことも
あなたが思い描いていた世界にあなた自身がいないことも

そのすべてが許せなくて、
けれど、そのすべてが愛しくて

泡のようなメロディに揺られて、泥のように眠る
暗がりに舞う黒い影に想いを馳せながら
現の中で見た夢は、もう帰れない日々のこと。


「昔から我儘なやつだったよ。
どこかで生きてる、俺にはそれだけでよかったのに。」



(もうこの世界のどこにもあなたはいない。昨日と変わらず朝は来るのに。)
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