忍者ブログ
朧月
徒然ト、目に映ル物・思フ事。結構な確立でネガティブなのはご愛嬌。
[1]  [2]  [3]  [4]  [5]  [6]  [7]  [8]  [9]  [10]  [11
2024-11-27 [Wed]
×

[PR]上記の広告は3ヶ月以上新規記事投稿のないブログに表示されています。新しい記事を書く事で広告が消えます。

2009-08-31 [Mon]
泣きたくなるね
泣かないけどね

逃げたくなるね
逃げないけどね

世界はゆっくりと変わっている
そんな当たり前のことに
気がついた在り来たりな午後


見えない流れで世界が変わっているように
俺自身もまた
知らないところで変わっているのかもしれない


このまま少しずつ変わり続けて
いつか、
今の俺が跡形もなく消え去っても
今日のことを忘れないでいられるだろうか

こうしている今も
世界はゆっくりと変わっている
俺の陳腐な感傷など置き去りにして

その事実が
俺を殺しては生かしている
それが悲しくもあり
愛しくもあるのだ




(さて、日記でも書こうか。今日の俺が生きていた、その証に。)


PR
2009-08-26 [Wed]
どうしようもなく餓えを感じて、
手当たり次第に食べ散らかした。
けれど、満たされたのは腹だけだった。

死にそうなくらい渇きを覚えて、
浴びるように全部飲み干した。
なのに、潤ったのは喉だけだった。

悲しいまでに飢えている
泣きたい程に乾いている
ただ、呼んでいる。


わたしがわたしでいるために
受け入れた大人らしさ

わたしが生きていくために
息絶えていく子どもらしさ

そのどちらもが


止むことなく繰り返している
声にならない声だけ、響く。



(「   」というただその一言だけが、わたしには言えなかったから。)
2009-07-25 [Sat]
「出せなかった手紙」
 

------------------------------------------------

拝啓、■■■様


あなたは本当に幸せそうに
俺に触れる

そしてときどき、本当に悲しそうに
笑う

そうすると俺は苦しくなって
どうすればいいかって考えるんだ


あなたの手は暖かさを、
あなたの声は優しさを

何もない俺に、
たくさんの物をくれたのに
何もない俺は、
返せるだけの何かすら持たない


だから、


たとえ、砂の上に描いた絵だとしても
あなたの幸せが確かに在るのなら
俺が全力でそれを守るよ

あなたが帰りたい場所が
縋りたい腕が
ここに在るというのなら

それを守りたいと
失くしたくないと
心の底から願っているのなら


あなたが守りたいすべてごと
あなたを守るよ



------------------------------------------------


(あなたが俺を幸せを願ったように、俺もあなたの幸せを願っていました。
そして、それ自体がとても幸せなことだったのです。)
 

2009-07-21 [Tue]
抱き合って眠っても
俺とあなたが一つになる日なんて永遠に来ない
だからせめて、俺は
あなたの中で循環することを思う


「食う・食われる」ということは
もしかしたら
最大限の愛なのかもしれないと


口付けて、噛み付いて
血となり、肉となった数多のもの達を
果たしてヒトは、愛さずにいられるだろうか

それらは今日も
そして明日も
ヒトを生かし、許してくれる



嗚呼、これほどの優しさを
愛以外に何と呼ぼうか


 
(だから、骨の髄まで綺麗に食べてね。
この手が胸が心が、あなたを生かす糧になるなら
食べられるのも悪くはないの。)
2009-07-18 [Sat]


美味しいものから食い散らかして
屑塗れの王座に踏ん反り返っている
幾人もの愚者の王が
血まみれの王冠を取り合っていても
賢明な者たちは何も言わない。
だってもう口がきけないもの、
語る口はなくなってしまった。


真実を語る鳥も、勇敢なる獣も、
今や我らを見放して
哀れな偶像だけが、
変わらない愛を子供たちに注いでいる。


ほら御覧、坊や。
おぞましいあの姿を。
いつかはあなたもあそこへ登って、
欲しい物を手に入れればいい。
母の肌を割いて、骨を砕いて
みんなみんな、食いつくしてしまえばいい。


誰もあなたを責めやしないわ、
あなたが勝者であるうちは。




(泣いているの?
可哀想な子、人に生まれたばっかりに。)
Copyright © 朧月 All Rights Reserved.
PhotoMaterial by irusu  Template by Kaie
忍者ブログ [PR]