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朧月
徒然ト、目に映ル物・思フ事。結構な確立でネガティブなのはご愛嬌。
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2024-11-27 [Wed]
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2009-12-25 [Fri]
飛んで行ってしまった風船を
あれからずっと探している
真っ赤な空に落ちるように
消えてしまった風船を

僕は「いい子」だったから
誰かを羨んだりはしなかった
僕は「悪い子」だったから
哀れな獣を内緒で育てた



失くしてしまった風船を
あれからずっと探していた
真っ青な海のような手が
空っぽの心を撫でてくれた

僕は「いい子」だったから
独り占めにはしなかった
僕は「悪い子」だったから
無くならないと信じてた



失くしてしまった風船は
それからはもう探していない
真っ黒な影に溶けた熱を
あれからずっと待っている




(結局僕は何も持たずに、ずっと)
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2009-12-21 [Mon]
僕らただ息をするだけで、町中に溢れる色、いろいろ。
仲間外れは灰色。
全であり、個である。それはまるで1みたいだ。



君は問う
「整然としているが故の歪さとは、一体どんな味がするのだろう。」

僕は答える
「できればチョコレート味なんかとだと嬉しいね。」



君は嗤う
「甘くて苦い、差し詰めそれは青春のようだ。」

僕は笑う
「そう、そして僕らに似ている。」




君が笑う声に紛れて、誰かが泣く声が聞こえる。
君が味わうそのレタスの一枚と共に、咀嚼されている何かみたいだ。


目隠しして踊っている、僕ら。
目隠しがとれたって
風景はブラインド。




(進み続けていないと息が出来ない魚みたいに。)
2009-12-08 [Tue]


ほら、ナキ声が聞こえる
赤子という名の紳士が泣いている
そこかしこで

嗚呼、なんて懐かしい
僕らもいつかは紳士だった


「もっと もっと」
そう繰り返し喚き散らす僕は
まるで、たった今生まれ落ちたみたいだね

素晴らしいはずの世界なのに
美しいはずの未来なのに
どうして僕らは泣いていたんだろう
あの時


(ねぇ、神様とやら教えてよ。薄汚れていく僕を、今なら哂えるから。)
2009-11-19 [Thu]
拝啓、親愛なる   へ


あなたがいなくなってから、どれだけ時間が流れたのだろう。
あなたが心待ちにしていたあの花は、とうに枯れてしまいました。


近ごろの俺といえば、
二人で行ったカフェでコーヒーを飲んで
二人で行った本屋で料理の本を買って
いつか二人で見た映画を一人で観ました。


ミルクの甘さも
ポテトの塩っぱさも
半身の温もりも
ゆっくりと忘れてしまうような、そんな日々です。


それなのに、

カフェのテーブルの向かい側に
本屋の雑誌コーナーに
小さなソファーの俺の隣に
あなたの影がちらついて
不意に泣きたくなる、そんな日々です。


あなたの手を失ったあの日から、数えきれない夜と朝を越えたのに
「そんな人もいた」と思える明日には、まだまだ時間がかかりそうです。


(追伸。
俺がそちらに行くときには、またミルクを奢ってください。)
 
2009-11-19 [Thu]
日々に交差して 夢に透写して
絡み付く感情 微弱なインセンス

埃っぽい油膜の表を滑っている
いくつもの太陽
嗚呼、まるで世界の終わりのようだ
夢みたいな

あの日 君は泣いていたね
「愛しているから」って
そして 僕は笑っていたね
「愛せないんだ」って

分かっているんだ
分かっていたんだよ
それこそ、ずっと前から

だけど、
誰も愛せない僕には
何も許せない僕には
そんな嘘でも必要で


(君を愛することが出来ないくせに、君の愛を失えば死んでしまうんだ。嗚呼、なんて身勝手で我儘な僕の愛。)

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