濁色ブラインド

紫重い雲　青ざめて光る月
星は同じ速度で逃げる
届かないほど遠い
そんなこと知っている
もう何度となく手を伸ばしたさ
厭きてしまうほど

地上のレプリカの星達は
吐き気がするくらい眩しくて
十二月の夢もさめてしまった

願うことは愚かではない
ただ　叶わないと気付くことが悲しいだけ

鎖も朽ちて

同じことを笑うこと
自己意志で妥協すること
無理矢理な協調性
垣間見せる消極性

太陽の擬態
虚勢を張る手負いの獣
飼い犬を装う鏡を
叩き割るまでのモラトリアム

未来が無いと君は泣くけれど

［いま］は［むかし］になります。
［きょう］は［きのう］になります。
でも、［あした］は［きょう］にはなりません。
［いつか］はずっと［いつか］のままです。
永遠に手が届かないものだから
なくても別にいいのです

詐欺擬いの真理

正しいと呼べるものなど
本当はないのではないか
そんなものは時世が決める
歴史は強者が造る

正義が勝つのではなく
勝った方が正義だ　とは
なんて理に適った言葉
哀れすぎて笑えてくる

かの唄に乗せて

行く宛も　目的もないから
どのバスにも乗れない
乗車権も人間証明書も
当分は必要ないらしい

詰め込まれた人の山見送り
置いてけぼり同士の人間観察フェスティバル
なぁ、そこで爪噛んでるアンタ
次のバスならすぐに来るさ

俺はまだ乗れない
乗りたくなんてない
夢の続きなんて見たくもないから・・・