それは微風にさえ負けそうで

常に不安が渦巻いている
このままでいいのかと
満たされぬ想いだけ
今日が揺らいでゆく
輪郭さえ見えなくなる

一睡の夢の如し

かの人は跪き
まるで傷つきし友を抱くかのようにギターを抱いて
祈るように歌っていた
湧き立ち熱を増す空気に不釣り合いで
その姿は悲しくも神聖だった

吐き気がする

親愛や敬愛、そして友愛
そんな様なものを掻き混ぜて
出来るのは透明な狂気

もとより自分なんて愛せなくて
与え続けないと生きれないから
自分以外のためにこの身はすり減らしているけれど

果てなく零れていく不様な感情
それを仕方ないと吐き棄てる怠慢

迷走リビング

昨日と今日と明日
必要なのは最低限の今

それ以外は纏めてシュレッダー待ちのダストボックス
必要ならばアップサイドダウン
ぶちまけて探して

ギリギリで生きていける
ギリギリなら生きていける
手の平サイズの白い箱に
絡まるほど長いライン
機械臭い風と
金属音を伴う疾走感

脆さに軋む音がしても
それ以上は重いだけ
本音もリアルも
走るには重いだけ

無気力スーサイド

独りきりで生まれて
独りきりで死んでゆく
間を埋めるのは泡沫の夢

言葉は感情に相反し
俯いたまま視線だけは迷い無く
ただ深淵の奥　最も黒い場所を捕えて放さない

心とは逆に増していく体温
持て余すでもなく
拒むでもなく
ただ緩々と怠惰な思考に溶けてゆく